スポーツとケガの関係性とは?『スポーツ障害』を知ろう!
2024年09月24日
身体を動かすことは体力の維持・向上につながり肥満の解消にも役立ちますが、ケガや蓄積疲労による疲労骨折など「スポーツ障害」を起こす危険性も出てきます。今回はスポーツを健康的に行う方法についてお教えしていきます。特に中高生に多く見られるスポーツ障害について詳しく知っておきましょう。
小さなサインを見逃さないで!『スポーツ障害』とは?
スポーツによって関節、靭帯、腱、骨などに繰り返し外力が加わることで引き起こされる障害のことをスポーツ障害と呼びます。骨折や靱帯断裂のように構造が完全に破綻し機能不全に至っているものは少なく、その多くはオーバーユース症候群(使いすぎ症候群)です。
しかし、この状態を放置し、無理なスポーツを続けていると、靱帯断裂などのスポーツ外傷に陥ってしまうことがあるので、早期発見、早期治療が大切です。発生要因は、成長期、練習量、準備運動不足、運動の正確性、先天的形態異常、靴などの道具、グランドなどの運動環境と様々です。
中高生にスポーツ障害が起こる理由
成長期にまず骨が成長し、筋肉がそれを追いかけるように身体が作られていきます。男子の場合は高校1~2年生、女子は中学3年生ほどまでが成長期です。この時期の骨は、両端が軟骨になっていて、骨端線と呼ばれる部分から骨が伸びていきます。そのため、骨、関節は成人と違って構造的に弱く、強いけん引力、圧迫力が繰り返し働くと、傷ついたり変形したりして障害が生じやすいのが特徴です。
スポーツ障害の起きやすい部位は?
スポーツは健康促進に効果的ですが、特定の部位には怪我のリスクが伴います。
気づかないうちに体の特定の部位に大きな負担がかかっていることがあります。
繰り返しの動作や過度な負荷で、特に障害が起こりやすい部位を事前に知っておくことが、怪我を未然に防ぐための大きな一歩になります!
肩関節の痛み
野球やテニスなどの上肢を使うスポーツによって引き起こされることが多く、痛みや可動域制限が現れます。疾患名はインピンジメント症候群と言い、野球肩やテニス肩と言われることが多いです。
肘の内側または外側の痛み
ゴルフやテニスなどのスイング動作によって起こり、炎症や痛みが生じます。コチラも代表的なスポーツ障害の1つであり、主に内側の痛みを感じることが多いです。正確にボールを捉えることができていなかったり、肘を酷使しすぎていることが原因であると考えられています。
膝関節の痛み
ジャンプや着地の動作によって引き起こされることが多く、膝の不安定感や靭帯、腱の炎症が見られます。使い過ぎ症候群とも言われており、身体の柔軟不足や筋肉がアンバランスな状態になっていることが原因と考えられています。
また、靴のサイズが合わないことが原因であることも。意外に気づかない部分なので確認してみてください。
大切なのは『怪我のリスク』を減らすこと
怪我のリスクを最小限に抑えるためには、適切な予防策を講じることが重要です。誰もがスポーツをしていると怪我を負ってしまうことはあります。しかし、事前に予防策をとっているかどうかで症状の重さは大きく変わります。スポーツ障害は長期的な負担が原因となっていることも多く、気づいた時には手遅れだったというケースも。常にリスクをなくすにはどういった行動を取るべきか考えてみましょう。
あなたは大丈夫?怪我のリスクから身体を守ろう!
スポーツや日常の運動中、知らず知らずのうちに体に負担がかかっていませんか?特に無理を続けると、蓄積された疲れが思わぬ怪我に繋がることも。今こそ、自分の体を守るためのケアを始めるタイミングです!シンプルにできるストレッチやケア方法を取り入れて、体のリスクを軽減し、快適に運動を楽しみましょう。
ウォーミングアップ
スポーツ活動の前に軽いストレッチや有酸素運動を行うことで、筋肉や関節を準備させます。それにより可動域が広がり、身体への負担を軽減させる効果もあります。何かあった時に可動域が広がっていると怪我のリスクを減少させることができます。
適切な服装や装備
各スポーツに適したプロテクターや装備品を使用し、怪我のリスクを軽減しましょう。スポーツによっては装着が難しいものもあるかもしれませんが、なるべく肌が露出しない状態で行うのが理想的です。
適度なトレーニング
過度なトレーニングは怪我のリスクを高めるため、適度な強度と休息を取り入れたトレーニングを心掛けましょう。身体強化を行うことで普段よりもできることが増えていくでしょう。
基本のフォームを意識
スポーツの正しい技術を習得することで、不適切な動作によるケガを防ぎます。基本的なフォームは技術力を上げるだけでなく、身体への負担がなくなるように考えられています。身体の違和感がある場本に立ち戻ってみましょう。
RICE 処置:スポーツでのケガの応急処置
スポーツのケガは予期せずに起こってしまうため、負傷時の対処法をあらかじめ知っておくことが大切です。適切な対処をすることで、早期回復が期待できます。中には軽傷だろうと判断してスポーツを続ける方もいますが、症状が悪化する可能性もあるため、受傷直後にきちんと対処しましょう。応急処置は「RICE 処置」と呼ばれる方法をおこなうことが一般的です。
RICE は英語の頭文字を並べたもので、Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)を意味します。
Rest(安静)
患部を動かさないようにして安静にすることで、症状の悪化を防ぎます。
Ice(冷やす)
アイスパックなどを使い、受傷部分を10分程度冷やします。冷やすことで炎症が抑制され、痛みや腫れの軽減が期待できます。
Compression(圧迫)
包帯やテーピングを使って患部を適度に圧迫し、内出血を予防します。
Elevation(拳上)
患部を心臓より高い位置に挙げて固定します。これにより、炎症の拡大を予防することが期待できます。
自身の体に変化や異常を感じた場合は、無理せずに休息を取り、医師の診断を受けることをおすすめします。また、スポーツ団体やチームは、ケガの予防に重点を置いたトレーニングや安全対策を実施することが大切です。