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テニス以外の原因でも起こる『テニス肘』とは ?

2025年01月30日

テニスプレーヤーの3~5割の人が経験したことがあると言われているテニス肘。
実は家事や仕事などの日常の行動が原因で発症することも多いのをご存知でしょうか?
私たちの生活の中で一日中フル活用している手はなかなか安静を保つのが難しい場所ですよね。様子を見ているうちに症状が進行し、長引いてしまうケースもあるため、早期のケアや予防が大切になります。
今回はそんなテニス肘の症状や原因について詳しくお教えしていきます。

家事や仕事などの日常生活でも起こりうるテニス肘って?

テニス肘とは、手首に負担がかかる動作を行った時、肘の外側から前腕(肘から手首の部分)に
けて痛みが起こる症状のことです。正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」という肘の病気です。ラケットでボールを打つ動作を繰り返すテニス愛好家に多い症状であることから、通称「テニス肘(テニスエルボー)」と呼ばれていますが、注意したいのは、テニス肘が起こるのは、テニスをする人やラケットを握ってスポーツをする人だけに限らないことです。例えば、パソコンのキーボードを長時間打ったり、重い荷物を運んだりする人で発症するケースがあります。乳幼児を抱き抱える母親などにもよくみられます。また、調理でフライパンを振るといった動作などもテニス肘の原因になります。年を重ねて肘の柔軟性が低下している人は、少し肘に無理な力がかかっただけでも発症する例があります。
症状が進行するとコップが持てないほどの強い痛みを伴うこともあり、日常生活にも大きな支障をきたすようになります。

テニス肘の症状は…?

テニス肘は、通常、じっとしている時にはあまり痛みがなく、「手首を反らせる」「内外にひねる」「指を伸ばす」いうような手首を使った動作を行った時に肘の外側に痛みが起こるのが大きな特徴です。日常生活では、「物をつかんで持ち上げる」「ドアノブを回す」「タオルを絞る」「キーボードを打つ」などの動作をしたときに強い痛みを感じます。

症状の現れ方には個人差があり、急に強い痛みが出る場合もありますが、じわじわと痛みが強くなることもあります。腕は、日頃良く使う部分だけに一度発症するとなかなか治りにくいこともあり、症状が進行してしまうと安静にしていても肘にジンジンとした痛みが続くようになります。

テニス肘発症のメカニズム

肩から伸びている上腕骨(二の腕の骨)下部の外側にある出っ張った部分を「上腕外側上顆じょうわんがいそくじょうか」と言います。この上腕外側上顆には手首を動かし、指を伸ばすための筋肉(短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、総指伸筋など)が重なるように付いており、その筋肉の中の一つである「短橈側手根伸筋たんとうそくしゅこんしんきん」という筋肉の付け根の腱に炎症が起きたものがテニス肘です。腕を酷使することで、短橈側手根伸筋の肘の付け根部分(腱)に過度の負担がかかり、細かい亀裂や炎症が起きて痛みが起こると考えられています。

テニス肘発症の主な原因は?

テニス肘は、動作の繰り返しが原因で発症することも多くあるという話はしました。
では、なぜこのような動作でテニス肘が起こるのでしょうか?

今回は、テニス肘の主な原因について詳しく解説していきます。

腕を酷使するスポーツ

ラケットでボールを打つ時の衝撃は手首から伝わり、肘の付け根の腱にまで及びます。テニスプレーヤーに発症が多いのは、「ラケットを振る」という同じ動作を何度も繰り返し行うことで、ストレスを受け続けた腱の付け根の筋肉が炎症を起こしてしまうため。特にバックハンドストローク時に強い痛みを感じます。

腕を酷使する職業

スポーツ以外に、重い荷物を運ぶ運送業の方や、料理人、大工などの手首を良く使う仕事が原因で発症するケースもあります。日常的に腕に負担のかかる動作を繰り返し行うことで、肘に慢性的な疲労がたまり、腱の炎症が起こります。

加齢、性別

テニス肘は、30~50代以降になると発症が多くなります。これは、年齢が上がるにつれ、少しずつ腕の筋力が低下することや、肘の腱の強度も落ちてくることが原因と考えられており、特別なスポーツや職業などのはっきりした原因がなく、徐々に痛みが現れてくる場合もあります。また、女性は筋力が弱いことや、家事などで腕を使う動作が多いことから、特に中高年の主婦の方の発症が多く見られます。

テニス肘の予防・改善法

テニス肘の予防には、手を使い過ぎないということが一番ですが、以下のようなケアをしっかり行うと、発症予防や症状の改善に効果的です。

日頃からこまめに行うように心がけましょう!

肩や腕のストレッチ

ストレッチはテニス肘の予防だけでなく、痛みの緩和にも効果があります。腕全体や手首をゆっくり回すだけでも効果があります。

運動をする前の準備運動や体操をしっかり行いましょう。
まずは体に「今から運動をしますよ」と教えてから動く準備をしましょう!

筋力トレーニング

症状が長引き、慢性化したテニス肘は、筋力を強化するためのトレーニングが有効です。軽めのダンベル(重さ1kg程度)やチューブを使い、手首の関節の曲げ伸ばし運動を行います。ただし、痛みや熱感などのある時は、症状が悪化する恐れがあるため、行わないようにしましょう。

サポーターまたはテーピング(肘、手首)

肘や手首にかかる衝撃を吸収することができるサポーター(テーピング)は、日常生活で発症したテニス肘にも効果がありますが、特にテニスなどのスポーツが原因で発症したテニス肘には有効です。幅が広いタイプと狭いタイプがありどちらも市販されているので、使いやすいものを試してみると良いでしょう。

アイシング(冷却)または患部の温め

痛みが出始めた急性期は、熱を持っている状態なので、氷などで患部を冷やすと痛みが和らぎます。ただし、痛みが数ヶ月に及び、慢性化してしまった場合にはアイシングは逆効果です。
その際は温めることで痛みが軽くなるので、お風呂で温めるのもおススメです。

テニス肘の予防、改善ストレッチ

テニス肘ではないという方も、ストレッチをすることで予防に繋がりますので、ぜひ行ってみてください!肘の外側や腕の筋肉が張っている時に、ご自身でストレッチしてみてください。

①. 肘を伸ばして、左手で右手を持ちます
②. 左手で右手関節を、手のひら側に曲げます
③. 手首を曲げた状態で、指も曲げます
④. これを反対の手も同様に行います
   30秒×3セットが目安です!

痛みの強い時はストレッチしないでください。
痛みが強い時にストレッチをすると痛みが強くなる場合もあります。

ポイント

手首の後に指を曲げることで、より筋肉を伸ばすことが出来ます。前腕の外側がしっかりと伸びていることを感じましょう。テニス肘のストレッチにおいて、大事なことは肘を伸ばして行うことです。肘を曲げて行うと伸ばしたい筋肉にストレッチがかからないので、必ず肘は伸ばすようにして下さい。また、痛みを感じるまでは伸ばさないで下さい。痛みの刺激は筋肉を緊張させてしまいます。筋肉が伸びていて気持ちいいくらいの強さでストレッチしてください。

いかがでしたか?「テニス肘」と聞くと、テニスをしている人だけがなる病気だ、と勘違いしてしまっている人も多いかもしれません。しかし、日常生活の中にもテニス肘になる原因があるということをお分かりいただけたと思います。最後にお伝えしたストレッチは、テニス肘の予防の効果もありますので、ぜひ行ってみて下さいね。

株式会社ONE FOR ALL